FXトレーダーのほとんどは投資でボリンジャーバンドを使用しているはず。統計上の動き、取引タイミング、使い方について解説します。このボリンジャーバンドによってトレンドが出ているかどうかを把握しやすくなるからです。しかしボリンジャーバンドを利用した逆張り戦法はそれほど嵌らないので注意です。
ボリンジャーバンドとは?
財務アナリストである「ジョン・ボリンジャー」が発明したインディケーターはボリンジャーバンドと呼ばれています。移動平均線を中心として、価格の上下には統計学を用いて計算された標準偏差を表示して判断します。以下の例でみると、黄色い線が20日移動平均線でチャート上下にあるのが標準偏差を指します。この標準偏差から下へ行けば下降トレンド、上へ行けば上昇トレンドの合図となります。トレンドが出ているかどうかを分析して移動平均の変動幅やリスクを知ることができるインディケーターになります。
Source : AUD/JPY 1hour leg 01-08-2023 Tradingview
標準偏差とは?
標準偏差は、一定期間のデータの平均値から、どのくらいのばらつきがあるのかを計算した数値です。標準偏差の数値が高くなるほど、ボラティリティが高くなります。標準偏差の単位は、σを用います。σは三段階で設定できることが多いです。
- ±1σに収まる確率:68.2%
- ±2σに収まる確率:95.4%
- ±3σに収まる確率:99.7%
実際の設定は±3σでやることが多いです。ボリンジャーバンドの解説を読むと以上のような説明がありますが±3σに収まる確率99.7%と言うのは、実際にトレードをしている方からすると、真実ではないと思う方のほうが多いでしょう。そしてそれは正しいのです。
±3σに収まる確率
±3σに収まる確率は99%を超えていると言われていますが、これは実際にトレードをしている方からすればそんなことはないと思うでしょう。±3σにローソク足が収まる可能性はありますが、実際は普通にはみ出ていくことが多いです。ボリンジャーバンドの注意点は未来の確約をしているわけではないのです。未来の予言ではなく、最近の株価や為替相場情報における値動きの約99.7%が収まるラインを±3σで表現しているだけにすぎませんので使い方がそのまま指標として活用できるとは限りません。
ニュースの後で突き抜けることも
ニュースの後で±3σから突き抜けることもあります。この状態ではボラティリティが高いため使わないことを推奨します。過去からも証明済みですが企業などが注目する重要な経済指標や政治の変化が起こると突然相場が荒れますのでテクニカルは通用しません。ポジションを持つこともおすすめしませんのでこのサインが出ている時は静観しましょう。これを契機に方向が転換するポイントになる可能性もあります。
逆張り戦法
以上のようなことがあるため、±3σに収まる確率が99%を超えるわけですから、ボリンジャーバンドのテクニカル指標の見方として上限、下限にタッチした期間、タイミングで逆張りをすれば理論上は絶対に勝てることになります。しかし重要なのは上記でも説明した通り、そうならないのが普通です。大半のトレーダーはこの戦術を市場で戦うと大きく利益を出すどころか、大損する運命にあります。使う前に自分の基本のトレードの動きや推移を確認してみるといいでしょう。
ボリンジャーバンドの3σからの逆張り戦法
一般ではボリンジャーバンドが3σに収まる可能性は99%を超えると言われているため、逆に言えば3σからの逆張りをする人も多くいます。しかし先ほども説明した通り、ボリンジャーバンドは未来に対する補償をしているわけではないため、実際は3σに収まらない可能性のほうが高いのです。そのため逆張り戦法は失敗する可能性が高いと言われています。その理由が以下のようなもの。売りでも買いでもバンドの終値が内からその後動くことで突き抜ける局面があることはよくあります。大きい資産を失うこともあります。
トレンドが発生するから
ボリンジャーバンドの3σからローソク足が突き抜けるタイミングと言うのは、基本的にトレンドが発生するタイミングである可能性が高いです。それまではレンジ相場になっているため、ボリンジャーバンドの±3σの範囲が狭まっているため、突き抜ける可能性が高くなります。相場と言うのはレンジから拡散し、トレンドが生まれます。このタイミングになると、レンジ帯のような狭い±3σに収まることはまずありません。
順張りが正しい
ボリンジャーバンドの3σからローソク足が突き抜けるタイミングと言うのは、トレンドが発生する可能性高いわけですから、逆張りをすると、どこまでもやられていくのが一般的です。そこでトレーダーがやらなければならないのは逆張りではなく順張りです。基本的にトレードは大きな流れに逆らってはいけません、逆らうとどこまでも負けるからです。
保証をしていない
ボリンジャーバンドの3σから折り返すということは別にこのボリンジャーバンド自体が保証しているわけではありません。ここから必ず折り返すという予言でもありませんし、突き抜けたからと言って補償をしてもらえるわけでもありません。ボリンジャーバンドはあくまでテクニカル分析手法の一つであり、絶対ではないのです。テクニカル分析にばかり集中してしまうと、経済指標経済などでやられてしまうことが多いです。
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